伊砂文様

伊砂文様とは

型絵染め - 古くから日本に伝わる染織技法の一つで、文様を彫り抜いた渋型紙と防染糊を用い、布や和紙に染める技法のことです。

和紙と柿渋で作られた型紙を、刀で彫りぬいて形成される文様はフリーハンドでは求めることのできないシャープな線、明快な形が表現でき、
さらに染めの工程で暖かな軟らかさが生まれます。

伊砂文様研究所では、昭和20年代より数々の文様・図案を生み出し、作品や商品となって、皆様に愛されてきました。
文様の数々は、モチーフを自然物や風景だけに求めるのではなく、心象や目に見えぬ対象物をも表現しているのが特徴です。

伝統技法を用いながらも、斬新かつ繊細な文様の数々は、50年の年月を過ごしながらも、新しい発見と人々の心を引き付ける
魅力に溢れています。

伊砂文様研究所

型絵染めについて

型紙

型絵染めは、古くから日本に伝わる染織技法の一つです。
簡単に、型絵染めの技法についてご紹介します。
まず下絵を型地紙に写し、切り彫り用の小刀で型紙を彫り抜く。
型地紙は、所定の大きさに裁断された和紙(こうぞ、みつまたなど)を
柿渋で3〜5枚張り合わせて、柿渋の粘着力を増加させるために2〜3日ねかせる。
天日で乾燥させた後、室の中で燻煙し、さらに渋つけをして再度、室に入れます。

このようにして水に強く、伸縮のない、歯切れのない型地紙をつくります。

彫った型紙を布や和紙の上にのせ、防染糊を駒べらで置くと、型紙の切り抜いた箇所に、
糊が布や和紙につきます。

糊は、もち米と米糠に塩少々を混ぜて、数時間後に蒸した後、よく練ってつくります。

糊置きの終わった布や和紙は、よく乾燥させ、豆汁(ごじる)を引いてから、
染料および顔料で彩色し、乾いたら、布の場合は蒸しを施し、水洗いします。

糊を洗い落とすと、作品全体が鮮やかに浮かび上がります。

このように、型絵染めは、型を彫ることで表現に独特性を与えています。
型彫りによって生まれる力強いシャープな線が、糊の粘度のある軟らかい
性質と相まって、切れ味の良さと暖かな味わいの両方をそなえた表現を
可能にしていることも、型絵染めの大きな魅力です。